毎月500問作成!超多忙のクイズ作家に聞いた情報収集テクニック|@DIME アットダイム
老若男女で楽しめるクイズは、テレビ番組やアプリなどで人気のコンテンツだ。知識自慢の問題や頭のやわらかさを競う問題など、友人や家族と一緒に楽しんでいる人たちも多いはず。そして、私たちを楽しませてくれるのが、様々な問題を作り上げるクイズ作家の人びとである。
27歳の佐藤顕司さんもその一人。高校時代にクイズの楽しさに気が付き、現在はゲームアプリやネット番組を中心に「月平均で500問ほど」を作成。週5日の仕事時間で、1日あたりだと“25問”は作っている計算だ。
クイズ作家として活躍中の佐藤顕司さん
クイズ問題の鉄則は「80文字以内で簡潔に。正確で分かりやすく」だという佐藤さん。驚きのペースで知識を形にする裏には、どのような”インプット・アウトプット“の工夫があるのか。日常で試したくなる“情報活用術”を聞いた。
街中では「なぜ?」を考えるのが大切
――知識を競う問題から、頭をひねる問題まで。テレビ番組を中心に、今や空前の“クイズブーム”です。佐藤さんもクイズ作家として活躍されている一1人。大忙しの毎日だと思いますが、問題づくりのために日頃からどんな情報収集をしていますか?
佐藤顕司(以下、佐藤):僕の場合、クイズアプリを中心に一般の方向けの早押し問題を作っているので、特別なことはしていません。基本は、読者のみなさんも目にふれるものから。ニュース番組やスポーツニュースなどを見て、知らない話題やこの先注目されそうと思った話題をメモしています。
――例えば、ニュース番組はどのようにチェックしていますか?
佐藤:週末放送の番組は、1週間分の内容をおさらいできるので必ず見ていますね。問題を作るときは、発注時におおよそのジャンルが決まっているので、全番組録画機能でキーワード検索をかけます。アニメやスポーツなど大まかなキーワードを入れて、気になる情報があれば一時停止しながらネット検索、ちょっとずつ次から次へ再生していきます。
――街中をどう観察しているのかも気になります。
佐藤:物事の理由を考えています。例えば、靴屋さんは分かりやすいかもしれません。靴屋さんで看板に「合鍵」と書いてあるお店をよく見かけますが、じつは、それにも理由があるんです。何かに対して「なぜ?」と疑問を持てば日常も楽しくなるし、会話のネタにもなるので。意識してみてほしいですね。
佐藤さんが主催したクイズ大会「AtoZ」。100人以上の参加者の中から絞られた9人による準決勝の様子
――ちなみに、クイズ作家のお仕事ならではの職業病はありますか?
佐藤:街中で面白そうな看板を見ると「クイズ問題にできるかな…」と考えてしまいますね。電車内では、中吊り広告の内容が気になってしまい、スマホで調べていたら乗り過ごしてしまうことも(笑)。ただ、できる限り情報の本質へ目を向けるようにしています。例えば、新刊小説の中吊り広告を見かけたときは「〜万部突破」のような文句ではなく、中身へ注目するようにしています。
ブラウザのタブをフル活用し「全体像」を把握
――情報のインプットでは、どんなものを活用していますか?
佐藤:僕は「Anki」(高機能暗記カード・アプリ、PC版:無償/スマホ版:有償)を使っています。いわゆる単語帳のアプリ版。入力した問題と答えを、アプリ内で反復学習できます。人間の忘却曲線に合わせて、忘れていた知識を繰り返し学習できるのも特徴で。csvファイルも読み込めるので、Excelにまとめたデータを一括して生かせるのも便利です。
高機能暗記カード・アプリ「Anki」の画面(佐藤さん提供)
――ネット検索にも工夫がありそうですね。
佐藤:ジャンルごとに問題を作るので、全体像を捉えようと意識しています。例えば、最近ではeスポーツについての依頼があったので「eスポーツとは何か」「流行のゲームは」「どんな大会があるのか」と、徹底的に調べました。調べるときはブラウザのタブをフル活用します。必要なリンクを片っ端から開いていき、一つひとつ確認したら消していって。細かく覚える必要はなく、集中して調べる時間を作ると物事全体の流れが見えてくるかなと思います。
――アウトプットではどんな工夫をしていますか?
佐藤:ちょっと特殊な例かもしれませんが。週末に公民館を借りて、仲間と一緒にクイズオフ会をやっていて。得た知識が早押し問題として成り立っているのか、その場で確かめています。回答者の立場で確かめると「これは分かりづらい」「この前覚えたやつだ」と気付けるので、クイズ作家の仕事にも役立っています。
――プライベートでも試してみると。最後に、情報活用が苦手な人に向けて“インプット・アウトプット”に関するアドバイスをいただければ。
佐藤:インプットについては、興味ある話題を徹底的に調べてみるのがいいと思います。特定のジャンルを広く浅くでもよいので、掘り下げてみてほしいです。その方法に頭や体が慣れてくれば、興味のないものに対する抵抗も薄れてくるはずで。知識を得ること自体の楽しさが、きっと分かってきます。
それから、アウトプットはとにかく情報発信してみるのが一番だと思いますね。他愛ない内容でもいいので、つぶやいてみるとか。慣れてきたら、80文字以内でクイズ問題を作ってみてほしいです。クイズ問題には「正確・簡潔・分かりやすく」という鉄則があります。長文も短い文章の繋がりですし、動画もある時代の“伝える力”を養うのにうってつけです。
公私問わずクイズを愛し、楽しみながら問題を作り続ける佐藤さん。インプット・アウトプットのスピードと量は、私たちとはおそらく比べものにならないだろう。今回、教えてもらったクイズ作家としての“情報活用術”は、ビジネスなどの場面でもきっと役立つはずだ。
TBSのクイズ番組『東大王』やWebクイズメディア『QuizKnock』などで活躍したクイズタレント・林輝幸さん率いるクイズ問題制作ユニット・Q星郡の体験型クイズイベント「林輝幸からの招待状」が10月2〜3日に各日4公演で開催されます。
今回、取材にご協力いただいた佐藤顕司さんや、「QuizKnock」のライター・山上大喜さんもクイズを制作。参加申込開始については後日発表。お楽しみに!
◎体験型クイズイベント「林輝幸からの招待状」
取材・文/カネコシュウヘイ
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