ブロカントで掘り出し物を見つける楽しみ｜ CHICHI PARIS ～パリに住むエステティシャンのblog～｜Paris｜madame FIGARO.jp（フィガロジャポン）

週末に近所でブロカントが開かれていたのですが、午後から天気が悪化して、着いたときは身体が飛ばされるかと思うほどの強風が吹いていました。風が吹くたびにテントが倒れるほどで、既に半分位の店が店仕舞いして品物をトラックに運び始めていましたが、幸い目的だった食器やカトラリーの店はまだ開いていました。

ブロカントといっても、古いものだけではなく未使用品もあります。この店のグラスは全部新品で今も販売されているシリーズなのでブロカント価格ならお得ですね。

ブロカントで必ずチェックするのがシルバーカトラリー。現在は製造されていない過去のモデルを眺めたり掘り出し物を探すのが好きなんです♪

クリストフルのような有名メゾンの物から名も無い物まで多種類あり、偽物も多いのでよーく見分けることが必要です。同じシルバーメッキでも銀含有量で値段や価値が違ってくるし、純銀製ならもっと値段が張ります。「クリストフル」が人気らしく、どの店もクリストフルは他よりも高い値段がつけられていたり”フルセット４８本” などのようにまとめて出ていました。

２０年前フランスに住み始めたときに、クリストフルのブティックで清水から飛び降りる気持ちで購入した１２人用のディナーセットは今も重宝していて、本当に一生物の価値がある買い物だったと思います。フランス在住が長くなるにつれてクリストフル以外にも老舗メゾンがあることを知るようになり、最近はブロカントに行く度に正規の値段では手が届かない「ピュイ・フォルカ」のシルバーカトラリーを探しているのですが、絶対的な数が少ないのか良い状態の物には未だに出会えていません。

ここに並んでいるのは全部クリストフル。

ブロカントでシルバーカトラリーを購入するときにいつも注意しているポイントが①フランスの老舗メゾン ②モデル ③状態、④イニシャルが入っているか否かの４点です。

①はクリストフルやピュイ・フォルカのようにフランスの老舗メゾンの製品であること。通常メゾンの名前以外に銀製を証明する刻印と工房の刻印の２つが入っています。②後から買い足せるように既に廃盤になっているモデルは選びません。③新品または傷がないきれいな状態のものであること。安いからといって、シミや細かい傷があり使用感があるものはダメ。最後の④は、ひと昔前まではカトラリーの柄の裏側にイニシャルを刻印することが多かったのですが、他人のイニシャルが彫られた物を使うのが嫌なのでイニシャルが入っているものは除外。

余談ですが、フランス式のテーブルセッティングはナイフやフォークなどのカトラリーを裏にして置きますが、これは写真のようにイニシャルを見せるためです。

ある店で３０ユーロコーナーの中からフッと目に留まったソース入れの裏を見ると「Ercuis（エルキュイ）」と銀製の刻印が入っていて、状態も傷が無くてきれい。エルキュイのソース入れをブティックで購入したら少なくとも８００ユーロ位はする筈なのに・・・。

３０ユーロコーナーに紛れ込んでるだけかもしれないと思って、店のムッシューに値段を確認したら「ウイ。３０ユーロだよ」

「では偽物か？」と疑って刻印をもう一度チェックしたけれど本物っぽいし、ずっしりと重みもある。念のため今度は店のマダムに値段を尋ねたら「だから３０ユーロよ。値段交渉はしないわよ」と言われて「気が変わる前に買わなくては！」と即座に１０ユーロ札３枚を差し出してゲットしました。

後で他の店では同じモデルが１９０ユーロだったので、やっぱり値段間違えちゃったのかも？私にはラッキーだったけれどね☆

翌日、知人の銀製品の専門家のところに持って行って調べてもらったら「本物のErcuisだよ。銀含有量が多くて状態が良いし、すごく良い買い物をしたね！」と言ってくれました。専門の機械で磨いてもらったらピッカピカになってまるで新品のよう。

これだからブロカントは面白くて止められません)^o^(