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食器棚を劇的に使いやすくする食器整理の極意 | マイナビニュース マイナビニュース マイナビ

みなさんは食器棚をどう使っていますか? キッチンの食器収納は、片づけのご相談が多い場所のひとつです。

・家族が正しい位置にしまってくれずにやり直す羽目になる・同じ食器ばかりを使い回すヘビロテに陥っている・食器棚に戻すのも面倒になり、水切りカゴや食洗機から出して使っている

食器収納の使いにくさは、だいたいこういうところに行きつくことが多いもの。みなさんの家はいかがでしょうか?

家ごとに異なる食器収納の「正解」

使いにくさの原因は、食器棚をざっと拝見しただけでは実はよくわかりません。「この食器は、本来どこにしまっておくはずなんですか? 」「毎日使う食器はどれですか? 」とお尋ねしていくうちに、「それはめんどくさいな」「そりゃ使いにくいはずだ」というのがどんどん明らかになってくるような感じです。

なので、整理収納の現場では、「その家の正解」が掴めるまで、もうしつこいくらいにヒアリングします。聞かれる側の依頼者さまは「そこまで突き詰めて考えたことがなかった……」という表情で答えてくださることがほとんどですが、収納作業が終わった頃には「自分の使い勝手にぴったりになった」という感想を持つようです。

食器収納の正解って、家ごとに違うもの。使いたい食器の種類も数も頻度も違うから、考えてみれば当たり前のことなんですよね。わたしは、食器収納のお手本のような型をその家に作るのではなく、依頼者さまの希望を整理して食器をしまい直しているだけです。

今回は、わたしが整理収納の現場で実践している食器整理の手順をご紹介します。

手順1:「今使っている、ないと困る食器」とそれ以外を分ける

食器の数が多い場合は、食器棚がぎゅうぎゅうにならないように、まずは量を調整しないといけません。でも、食器って欠けたり割れたりしない限り、なかなか手放すのが難しいアイテムなんですよね。「えっわたし、捨てられないかも……! 」とドキッとしてしまう人も多いのではないでしょうか。整理収納の現場でも、依頼者さまが同じような空気になるので、その感じ、すごくわかります。

そこで、わたしがおすすめしたいのが、「“捨てるモノ”じゃなくて“今使っているモノ”を選ぶ」ことで食器棚のぎゅうぎゅうを回避する方法です。

食器を以下の4つに分けます。

[1]使う(3カ月以内に必ず)[2]使う(1年以内に必ず)[3]迷う[4]手放す

[1]は、ごはん茶碗や汁椀のほか、パン皿やサラダボウル、小皿や小鉢、おかず皿など「毎日のように使っていて、ないと困る」レベルのモノ。

[2]は、週末だけ使うパスタ皿や夏冬限定でお目見えする季節の器など、「[1]ほどではないけれど確実に使う」レベルのモノです。ここは甘いジャッジ厳禁。「できれば使いたい」レベルのモノは、[1][2]ではなく[3]に分けてください。

[3]に分けても「捨てなくていい」としたら、[3]でもいいかな、と思えるものがたくさん出てくるのではないでしょうか。

<[3]「迷う」に分けるモノの例>・セットの食器で、家族の人数以上にあって持て余している分・セットの食器が割れて個数が減ってしまい、使いにくくなったモノ・パレット皿など、使い方が限定的でほとんど出番のないモノ・生活が変わってここ数年まったく使わなくなったおもてなし用の大皿

いちばん大事なのは[1]と[2]がはっきりすることです。5秒迷ったら[3]へ。[4]は、何の抵抗もなくそう思えるものだけでOKですよ。片づけ作業でエネルギーを無駄に消耗しないためには、余計な葛藤を挟まないことが重要です。粛々と手を動かして「分ける」をやり切ってください。

食器収納の一等地はごくごく限られています。なので、しまい方のテクニックを考える前に、まずこうやって「今使う食器」を選び抜くことがすごく大事なんですね。

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手順2:使う食器から場所取りしていく

分け終わったら、「今よく使うもの」から「いい場所」にしまっていきます。つまり、[1]使う(3カ月以内)→[2]使う(1年以内)→[3]迷う、の順ですね。[3]は最後にしまうので、まずは[1]の場所から決めていきます。

■いい場所とは「使う場所の近く」

おかずをのせるお皿は、日によって使い分けがあるかもしれませんが、毎日確実に使うのが決まっているモノもありますよね。そういうアイテムから、使う場所の近くに場所取りしていきます。

たとえば、ごはん茶碗なら炊飯器の近く。マグカップなら電気ケトルやポットの近く。パン皿はオーブントースターの近く。お菓子を出すときのお皿はお菓子置き場の近く、というふうに。ノンストレスで、さっと出して盛りつけられる棚や引き出しが「いい場所」です。

……当たり前ですか? いやいや、せっかくの「いい場所」がもったいないことになっているキッチン、多いですよ。

全然使っていないカトラリーや調理道具が詰まっていて、出し入れがほとんどない引き出しがないでしょうか? そこに、毎日使う食器とカトラリーだけを集めたら、すごく便利になるはずです。カトラリーや調理道具も、「分ける」作業で今使うモノだけを厳選してください。深い意味もなく溜め込んでいた、もらいものの割り箸やプラスプーンもこの機会に処分しましょう。そうすれば、食器を入れるスペースが作り出せますよ。ぜひ試してみてください。

■しまう時は「使うシーンでまとめる」

さらに、「朝食で使うグループ」「夕食で使うグループ」のように、シーン別に収納場所をまとめましょう。そうすれば、あちこちバタバタせずに食事の準備ができますし、わかりやすいので、夫婦間で食事の準備をシェアするのも、お子さんをお手伝いに巻き込むのも楽になります。

・朝食セット食器棚の片開きの扉を開けるだけ→パン皿、マグカップ、サラダボウルが揃う

・配膳セット炊飯器前の引き出しを開けるだけ→ごはん茶碗と汁椀、カトラリー、醤油皿、取り皿が揃う

・夕食セット食器棚の両開きの扉を開けるだけ→おかず用の大皿や鉢、取り皿などがすべて見渡せる

「◯◯だけ→◯◯がすべて揃う! 」というしまい方を意識してください。

スムーズに出せるということは、スムーズに戻せるということ。「どうせまたすぐ使うし、わざわざめんどくさい場所にしまわなくてもいっか」という気持ちになりにくくするのは大事ですよ。

手順3:迷うモノを上手に「封印」する

[1]の「使う(3カ月以内)」食器の場所取りが終わったら、残りは[2]の「使う(1年以内)」と[3]の「迷う」食器の収納です。

[2]の「使う(1年以内)」食器は、[1]の奥/上/下など、[1]に隣接した場所にしまっていきます。[1]に比べれば使う頻度も低いですから、多少出し入れに手間がかかる場所で大丈夫です。ただし、まったく違う場所はNG。その食器の存在自体を忘れてしまう可能性がありますからね。

さて、ここまで終われば、使いたい食器はすべて収まっているはずです。一度手を止めて、食器棚の様子を見てみてください。使いたい食器が出しやすく、戻しやすく入っていて、「今日から食事準備が楽にできそう! 」と思えたならいい感じです。

このあと、食器棚の余ったスペースに、[3]の「迷う」食器を「封印」していきますが、これは、取り出して使うことは一切想定しておらず、単に「捨てずにキープする」のが目的です。

そうまでして手元に置いておくべきものかどうか、最後にもう一度「迷う」食器を見直してほしいのです。整理収納の現場では、この過程で「やっぱりコレはもう要らない」と判断されるモノも多いんですよね。無理なく手放せそうなモノがあれば、ここでさよならしましょう。

■封印のルール(1)…食器棚のデッドスペースを使う

[1][2]のさらに奥/上/下の使いにくいスペースを利用します。

■封印のルール(2)…密度を上げて詰める

ケースの中に立てたり重ねたりして、できるだけ隙間なく詰めたうえで収納します。過去、たくさんのおうちで「封印」作業を実行してきましたが、無印良品のポリプロピレンメイクボックスが使いやすかったですね。高さがあるので食器を詰めやすく、半透明なので、入れたモノを外から判別しやすい点も良いと思いました。

これらは、次回食器整理する際に、必ず「封印」を解いて、一度中身を確認してください。時間をおいたことで執着が消え、気持ちよく手放せるモノがいくつもあるでしょう。それらはさよならしたうえで、その時点での「迷う」食器を新たに集めて「封印」する。これが封印のサイクルです。


今回は、食器収納のカスタマイズについてお伝えしました。この方法に沿って片づければ、行き当たりばったりに出した食器たちを、結局ほぼほぼ同じ場所に戻して終わり……という不完全燃焼はなくなるはずです。ぜひこの機会に、食器収納を「わが家の正解」にぐっと近づけてみてください!

新刊『家じゅうの「めんどくさい」をなくす。いちばんシンプルな「片づけ」の方法』

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家族の片づけコンサルタント : sea

しー

大学卒業後に始めた家事代行サービスの仕事にどっぷりはまり、20年以上にわたって個人宅の片づけや掃除を行ってきた。いままでに片づけた家は6000軒以上。家事代行マッチングサービス「タスカジ」では「seaさんが片づけてくれると、なぜか家族の仲までよくなる」と口コミで評判になり、「予約の取れない家政婦」と呼ばれるようになった。メディア出演や執筆、片づけ講座の企画・開発など幅広く活動を行う。

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