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「食器の丸一」年内で閉店 金沢・竪町通り盛り上げ65年 コロナ禍 飲食店向け落ち込む

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店を切り盛りする桜井さん夫婦=金沢市竪町の食器の丸一

「食器の丸一」年内で閉店 金沢・竪町通り盛り上げ65年 コロナ禍 飲食店向け落ち込む

竪町通りの中ほどにある店舗

 金沢市竪町通りの食器専門店「リビングハウス 食器の丸一」が年内で65年の歴史に幕を下ろす。北陸三県を中心に全国の飲食店へ器やグラスを卸してきたが、長引くコロナ禍で外食産業の落ち込みが響いた。今後、業者向け販売は高岡市の企業に引き継ぎ、30日から店内売り尽くしセールを始める。 3代目社長の桜井和幸さん(64)と妻の知佐子さん(61)が切り盛りする店は色とりどりの模様や形の陶器、グラス、漆器などが並ぶ。1~3階で計1万種以上の品揃えを誇り、「テーブルにインパクトを!」など、手製のポップが店内を彩っている。 食器の丸一は1956(昭和31)年、群馬県高崎市の「丸一陶器店」創業者の次男で、和幸さんの父和美さん(93)が開業。和美さんは、亡くなった妻の幸枝さんが石川出身だったこともあって金沢の雰囲気を気に入り、竪町通りの盛り上げに尽力してきた。 店は片町に近く、バーやスナックから電話注文を受けたら配達に駆け付ける。飲食店へ見栄えのよい盛り付けを提案したり、ラーメン店特注のどんぶりを製作するため岐阜県の産地に通い詰めたりした。 しかし、昨年からのコロナ禍で、多数のテナントが入るビルが一斉に休業するなど注文が減少。以前は店内をにぎわした外国人観光客も竪町通りから姿を消し、売り上げが半減する状態が続き、潮時と判断した。 35年前のオープン以来、丸一でグラスをそろえてきた片町1丁目の「バースプーン」オーナー細田良幸さん(64)は「全国や世界のグラスを探し出し『こんなのもあるよ』と提案してくれた。寂しくなる」と惜しんだ。30日から売り尽くし 今後、カマタニ(高岡市)に和幸さんの長男和樹さん(37)が移り、業者向け販売を継ぐ。30日からの閉店セールは無くなり次第終了で11月末ごろまでを予定する。和幸さんは「閉店を残念がる声をいただき、胸が締め付けられるようだ。今まで支えてくれたお客さんへ感謝を伝えたい」と語った。

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最終更新:北國新聞社

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