【Shopee越境ECの始め方】東南アジア最大級ECプラットフォーム『Shopee』は無料で使えてテストマーケティングとしても有効
東南アジア・台湾で最も利用されているECプラットフォーム『Shopee』。そのShopeeが日本から東南アジア・台湾への越境販売に対応していることをご存じでしょうか。更に現在、販売手数料や使用料が完全無料で使えます。そんなShopee日本越境ECサービスの特徴や、なぜ無料で提供しているのか、導入にはどうすればよいのかなど、Shopeeを始めるにあたって気になることを、Shopee Japan PMOリード安井氏とShopee Japanマーケティング上地氏に伺いました。
個人から法人まで無料で越境ECをはじめられる
――なぜ手数料や初期費用が無料なのですか?上地:多くの越境モールは、販売手数料の他に、初期出店費や店舗維持費、出品手数料などが発生します。しかし、Shopeeでは、発生する費用は販売手数料のみ。オーダーが入って商品が売れたときにだけ料金が発生するというモデルになっています。さらに、日本越境サービスはまだ始まったばかりなので、多くのセラー様に使っていただくために、期間限定のキャンペーンとして、販売手数料すら0%にしています。安井:登録から販売まで、完全に無料ですので東南アジア・台湾向けのテストマーケティングとしてでも、まずはお試しいただきたいと思っています。――初期費用がかからない上に販売手数料も無料となると、Shopeeさんはどこで利益を上げるのでしょうか?上地:販売手数料が0%なのは期間限定ですし、Shopeeの中でも日本越境セラー限定の特典です。また、Shopeeでは気軽に試せるさまざまな販促機能が提供されており、無料のものから有料のものまであります。販売手数料がかからない分、そちらを使ってぜひ売り上げを伸ばしていただきたいという思いもあります。
――どのような事業者がShopeeを利用しているのでしょうか?規模や商材など、特徴があれば教えてください。上地:Shopeeは幅広い事業者に活用していただけるプラットフォームなのですが、2020年と2021年では状況が変わってきました。2020年までは、現地で既に人気のある商品を安い価格で扱える、多くの仕入先を持つ小売業の方が、上手くShopeeを活用されていて、Shopeeとしてもそのような商品を確保したいと考えていました。しかし2021年に入ってからは、Shopeeの日本越境サービスを利用される方の幅が大きく広がっています。限定品やレアアイテムを取り扱う個人の方が副業として参入されるケースも、かなり増えました。これまで越境ECの経験がなかった小規模なブランド事業者の方にも、ご利用いただくようになっています。今年からはブランド向けの外部広告プログラムも本格的に紹介し始めたため、現地での知名度がまだ高くないブランドでも、Shopeeを使って知名度や売上の向上を図れるようになってきました。他にも、急激に落ち込んだインバウンド需要を埋めるために、観光客向けにオフラインで運営されていたドラッグストアや免税店などの参入も増えています。
Shopeeに出店するにはまず何をすればよいのか?
――新規セラーになる際、Shopee出店開始までの流れについて教えてください。上地:Shopee日本越境サービスのアカウントを作成する一連の流れはとても簡単です。公式ウェブサイトにある「アカウント申請フォーム」の赤いボタンをクリックして、アカウント申請フォームを記入します。法人の方は13桁の法人番号、個人の方は任意で開業届を提出し、住所や出店希望のマーケットといった簡単な質問事項に答えていただきます。ご記入後、送信ボタンを押していただくと、数日後、案内メールが届きます。そのメールから、Shopeeのセラーのアカウントを作成いただけます。アカウント作成後、セラーセンターという管理画面に入り、店舗紹介や画像などの店舗設定をします。商品ページを作成し、10商品以上出品すると出店完了となります。――商品ページの作成は各自で行うのでしょうか。上地:はい、セラーセンターから各自で行っていただきます。商品ページの設定も簡単で、商品名や商品説明、価格や画像を欄に沿って入力するだけ。メルカリへの出品のような感じで出品していただくことができます。もちろん店舗のイメージにこだわりたい方は、ご自由に店舗ページの構成やデザインを編集することもできます。
――海外の銀行口座などを用意する必要があるのですか?上地:Shopeeでの売上金は、Payoneerのアカウントでお受け取りいただけます。Payoneerのアカウントをお持ちでない方は、Shopeeでのアカウント登録後、Payoneerでアカウントを作成してください。Shopeeから売上金がPayoneerのアカウントへ入金された後は、売上金をお好きなタイミングで日本の銀行口座に送金していただけます。――販売開始時や出品時に注意する点はありますか。上地:これは、アカウント登録の条件になりますが、
・日本から発送すること・10商品以上を出品すること・受注から48時間(台湾は72時間)以内に発送すること・英語(台湾は中国語)で出品やチャット対応を行うことが必要です。これらの条件を満たすことが難しい場合には、ご相談ください。48時間以内での発送が難しければ、事前にプレオーダーを設定していただくことで最大で10営業日まで発送の期限を延長できます。また、10商品以上の出品が難しいようでしたら、事前にご連絡いただければ、代案をご提示いたします。――越境ECとなると、言葉の壁が気になるところですが、外国語が得意でなくても大丈夫でしょうか?上地:台湾向けの販売では中国語で対応していただく必要がありますが、台湾以外のマーケットでは英語での対応になります。タイとインドネシアのアカウントについては、英語で商品ページを作ると、自動で現地の言葉に商品タイトルが翻訳されますし、チャット対応に関しては、チャットツール内に英語から現地の言語への自動翻訳があります。安井:英語が苦手なセラーさんでもWEB翻訳ツールなどを使って問題なく対応されています。出店前のセラーさんからはチャットの英語の対応が難しいとのお悩みを良く聞きますが、よくお伝えするのは「そんなに難しい質問は来ない」ということです。現地の購入者からよくある質問は、「いつ届きますか?」とか「○○サイズはありますか?」といったもの。この程度であれば、普通の機械翻訳でも対応できるので。売上のよいセラーさんからは「英語は苦手なんだけど、だいたい対応できるので問題ありません」というお声もよくいただきます。右肩上がりで成長を続ける東南アジア市場
――東南アジアの市場はどのような感じなのでしょうか?上地:Shopeeが進出している東南アジア6カ国の人口は合計で5.8億人。日本の4.6倍です。それに加えて若年層の割合が高い。64歳以下の割合が、6カ国合わせて93%です。ちなみに、日本は7割程度と言われていますので、今後の成長に期待できる市場であることがお分かりいただけると思います。人口だけではなくインターネット利用者数も着実に増加しており、2015年では2.6億人であったのに対し、2020年には4億人まで増加。今では東南アジア主要6か国全体の7割以上がオンラインアクティブユーザーです。インターネットの普及に伴い、もちろんEC利用者数も増えています。2020年には、前年比11%で成長し、3.1億人に達しました。2020年の東南アジアEコマース市場規模は620億ドルにのぼり、2025年には1,720億ドルに達すると予測されています。2020年から2025年に予測されるCAGR(年平均成長率)は、東南アジア全体で23%ですが、中でもとりわけベトナムとフィリピンが高く、ベトナムは34%、フィリピンは31%の成長が見込まれています。今が、成長率の高いマーケットに参入するチャンスだと思います。――東南アジアのトレンドはどうでしょうか?安井:日用品と食品のカテゴリーの伸び率が、非常に大きいです。特に日本は、越境商品の中でも、食品がかなり売れています。インスタントラーメン、コーヒー、お茶などは根強い人気です。
日用品は、もともとそこまで高い比率ではかったのですが、年を追うにつれてどんどん市場が大きくなっています。食品・日用品カテゴリー急成長の要因としては、やはりパンデミックにより東南アジアにおいても「おうち時間」が増えたことが大きいですね。
――マーケットによって人気商品などに違いはあるものですか?安井:結構違いますよ。例えばシンガポールではサプリメントや化粧品が人気です。保湿系のクリームは、安定的に売れています。シンガポールは湿度が高いイメージがあると思うのですが、エアコンをガンガンにかけるため、室内が乾燥しているんです。上地:台湾の場合、家電の電圧が日本とほとんど一緒で、変圧器を使わなくてもいいため、日本の電化製品が大変人気です。さらには台湾は高級化粧品が人気だということもあり、他のマーケットに比べてかなり購買単価が高いというのが大きな特徴です。東南アジアと台湾では日本食やアニメなどの日本の文化がある程度浸透しているため、お菓子やアニメグッズはどの市場でも販売しやすいです。――日本の商品を東南アジアに向けて売っていきたい場合、どのように商品を選定すればいいでしょうか?上地:まずは、人気の商品をご自身で検索していただくことが重要です。Shopeeのサイトで検索し、日本のフィルターをかけて検索結果を絞り込むだけで、どの商品が売れているのかが分かります。安井:Shopeeは透明性の高いプラットフォームで、オーダー数も見ることができるようになっています。過去オーダー数を表示しているECプラットフォームでの購入経験は皆さんも少ないのではないでしょうか。そのため、どこの国でどのような商品が売れているのかも、簡単に調べることができます。たとえばシンガポールだったら、Shopee.sgのサイトを見ればいいのです。日本チームからのサポートとして、今、日本の人気越境商品だけを集めた特設ページが作られています。あとは、セミナーやSeller Education Hubというセラー向けの情報ポータルなどで日本の人気商品についてもご案内していますので、ぜひアップデートされた情報を上手くご活用いただき、販売に繋げていただければと思います。上地:どの商品をどのマーケットで販売すれば良いか分からない場合は、セミナーに参加していただいたり、Shopeeのスタッフへ聞いてみてください。ざっくりですがキッチン用品は台湾、ヘアケア用品ならシンガポール、文房具はタイで、サプリメントならマレーシアというように、データや知見を活かしながらアドバイスさせていただきます。
売上を伸ばすためのフォロー体制
――出店後に売上を伸ばすための施策やサポートについて教えてください。上地:まず、アカウントを申請されたばかりの新規セラー向けセミナーを、頻繁に行っています。そこでは、店舗ページや商品ページの作成方法など、基礎的なオペレーションについてお伝えしています。出店完了後は、より魅力のある商品ページの作り方や、販促機能のご紹介、セールの参加方法などを、出店セラー向けセミナーで解説しています。その他、ご連絡くだされば、弊社のスタッフが個別でアドバイスいたします。分からないことがあるとか、売上が伸びずに困っている場合には、遠慮なくShopeeスタッフまでご連絡ください。 ――広告やマーケティングはShopeeの支援でできるのでしょうか。
安井:無料から有料のものまで、幅広い販促機能をご用意しており、セラーのタイプやニーズ、予算規模に応じて支援いたします。Shopee内での代表的な広告機能としては、キーワード広告があります。こちらは、ユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告で、月数千円~数万円でご利用が可能です。出店初期段階における認知度アップ・購買率(コンバージョン)向上のためには不可欠とも言える広告です。また、Shopeeのデータと連携させて特定の顧客ターゲットに絞り、FacebookやInstagramでの広告配信ができる販促プログラムもあります。費用対効果をしっかり管理したい方には、アフィリエイトマーケティングソリューション(AMS)もおすすめです。こちらは、外部のメディアやブログ、価格比較サイトなどで商品を紹介してもらうプログラムです。実際に商品が購入された分のみ広告費が発生します。これらの販促プログラムを組み合わせて活用いただくことで、消費者にとっての認知拡大、商品購入に繋げていくことが可能になります。――Shopeeで小規模のセラーがブランド自体の認知を上げていくことはできるのでしょうか?安井:多くの越境ECプラットフォームが商品フォーカスであるのに対し、Shopeeでは、ショップとしてのページもしっかりと作り込めるようになっています。Shopee内のインスタグラムのようなSNS機能もあるため、ショップに対してファンを増やしていくための施策を行えます。ショップのフォロワーさん向けにライブストリーミングを行ったり、チャットで消費者の方と繋がってニーズを確認するなどショップ主導でファンを作り、コミュニケーションをとっていただくことができます。このように、ショップ型運用ができ、消費者の方々により近い存在になれることが、Shopeeの大きな特徴です。
東南アジアのテストマーケティングとして、無料のうちにまずはトライ
――Shopeeの今後の展望について教えていただければと思います。安井:日本から出店可能なマーケットを拡大していく予定です。フィリピン向けの販売が9月より開始しました。今後はベトナムやブラジルにも拡大していきたいと思っています。また、サポート体制も強化していきます。Shopee Japanとしてセラーの状況やニーズに合わせ、出店前から出店後まで総合的なサポートを行います。――Shopeeの導入を迷われている方にメッセージはありますか?安井:Shopeeは、東南アジア向けのテストマーケティングとして有用な越境ECプラットフォームです。今なら無料で出品可能なので、気になった方は、とにかくまず出店・出品してみてください。特に日本のセラーさんの場合、「出店する前にいろいろ知りたい」と資料を取り寄せてじっくり検討されるセラーさんが多いのですが、出店してみないとわからないことも多いので。無料でできるうちに、とりあえずトライしていただきたい、というのが一番の思いです。上地:新規のセラーさんにお問い合わせいただく際、「どの商品を売ればいいか分からない」、「この商品が売れるかどうかわからない」という問い合わせがすごく多いです。販売する商品については、マーケットによっては、そもそも規制で販売できないものや、国ごとの人気の傾向などもございます。Shopeeのスタッフには、そのあたりの知見もかなりあるので。お問い合わせいただければ、詳細なアドバイスができると思います。そして、もちろん現地で既に人気の商品を取り扱っていただくのも一つの手段だとは思いますが、まだ人気のない商品であっても、外部の販促機能を使ったり、広告を使ったりして、現地でのブランド認知を高めるような施策も有効です。Shopeeを通してこのようなパッケージもご利用いただます。安井:出店、リサーチ、認知向上に向けた販促・広告など、運営と売上達成には、戦略を立て、それを実行する必要があります。そこを「大変だ」と感じ、出店をためらっている事業者さんも多いと思います。Shopeeなら、全てご相談いただけるので、心配なこと、面倒だと感じていることなど、何でもお気軽にお問い合わせください。セラー事例やお役立ち情報などは以下ウェブサイトにてアップデートしていきますので、ぜひサイトをご覧ください。
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