ジャーナリストがAmazon倉庫で潜入取材 困窮層に近い人が働いている? 「日本のメディアはみんなお行儀いいから」 今度はamazonに挑んだ横田増生氏が、若者に「潜入取材」を勧める理由
2019年9月17日、その成果をまとめた『潜入ルポ Amazon帝国』(小学館)が発売される。横田氏は、「潜入取材で得られる情報は、真正面からの取材では得られない」と強調。潜入取材の意義を聞いた。
(聞き手・構成/J-CASTニュース編集部 田中美知生)
「相手がオープンにしゃべるところだったら、潜入取材をする必要はない」
――アマゾンへの潜入取材は、横田さんにとって原点と言えるのかなと思っていますが、いかがでしょう。
――潜入取材をずっと続けられていますが、これは1回目の反響が大きかったからやってみようと?
――潜入取材を始める時、訴えられるんじゃないか、というような恐怖心は?
今回の潜入取材で、横田氏はメモや記録を毎日取ったという。
――取材の材料集めで、ほかに気を付けたことや工夫したところは。
作業現場では、一番下のアルバイトの上に、「トレーナー」、「リーダー」、一番上の「スーパーバイザー」がいる。全員、アルバイトだという。
――現場で実際2週間働いてみて、アルバイトの特徴は。
著書の中では、男子トイレの個室に『おむつを流さないでください』という張り紙がある、という描写がある。
小田急の物流センター内では、開設してから4年で、わかっているだけでも5人のアルバイトが作業中に亡くなっているという。横田氏は、遺族に話を聞く。
――潜入取材をすることによって、初めてどういう人たちがアルバイトをしているか、という部分も見えてくるのかなと感じます。
イギリスでは、BBCやガーディアンがアマゾンに潜入取材
今回の著書で横田氏は、アマゾンに潜入取材したイギリスやフランスのジャーナリストに話を聞き、内容をまとめている。イギリスでは、BBCやガーディアン紙、フィナンシャル・タイムズ紙などが潜入取材を敢行しているという。
――海外のジャーナリストにお話を伺っていますが、取材のヒントのようなものは見つかったりしましたか?
「日本メディアはみんなお行儀いいからさ」
――「権力」側、今回でいうとアマゾン側の公にしてないことに迫ろうとしている取材姿勢を感じました。海外との潜入取材に関する違いは?
横田氏は、日本の「潜入取材」への見方の例として、ルポライター鎌田慧氏による『自動車絶望工場』(1973年)を挙げた。潜入取材の先駆けとして知られるこの作品で鎌田氏は、トヨタの期間工として働いた体験をまとめた。同ルポは、「大宅壮一賞」にノミネートされたが、受賞には至らなかった。入選されなかった件について、元朝日新聞記者の本多勝一氏が同書の講談社文庫版(1983年)の解説で、選考委員を痛烈に批判している。
本多氏は、「選考委員たちがこのルポを選ばなかった理由というのを雑誌で読んだ」際に、「あまりのばかばかしさに呆然」としたという。そして、「茶番劇としての大宅壮一賞」(本多氏著『貧困なる精神・第2集』に収録)に書いたといい、「なにしろ『取材の仕方がフェアではない』とか『ルポを目的とする工場潜入とわかってみれば、少なからず興ざめする』といった批評なのでした」と言及した。氏は、当時自身がつづった文から一部を引用。これがその文だ。
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